2004年2月7日(土)「しんぶん赤旗」
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「日本が米軍から受けた苦痛と屈辱を他国に押し付けてはならない。そのためには自衛隊の派兵をやめるしかない」−日本共産党の吉岡吉典議員は六日の参院イラク有事特別委員会で、イラク、クウェート両国に派兵される自衛隊員の裁判権の問題を取り上げ、自衛隊員が現地で犯罪や事故を引き起こしても、イラク、クウェートに裁判権、捜査権がなく、容疑者は逮捕、拘束もされない問題を追及、派兵中止を迫りました。
自衛隊は、イラク国内で連合国暫定当局(CPA)命令一七号で、イラクの刑事、民事、行政法の適用を受けず、イラク側に逮捕、拘束されないとされています。クウェートとは同様の免除を認めた地位協定を結んでいます。
これらが、日本国内での米軍の特権を認めた「日米地位協定」とほぼ同じものだと指摘した吉岡氏は、沖縄での米兵による少女暴行事件など具体的な事例をあげ、自衛隊員がイラクで同様の事故・犯罪を起こした場合にどうなるかをただしました。
外務省の西田恒夫総合外交政策局長は「いずれの場合も、イラクでも、クウェートでも、その刑事裁判権にしたがうことはない」と答弁。吉岡氏は「(米軍の治外法権に)日本が国中あげて怒りに燃え、裁判権をめぐって地位協定改定運動も続いている。それが今度は日本が相手に求めることになる。それでいいのか」と強調しました。
さらに吉岡氏は、日本が裁判権をもちながら、国外犯規定(日本国外での犯罪に日本の刑法を適用すること)にない場合、日本の国内法でも処罰されないことを指摘。誤った武器使用や航空機事故で人を殺傷した場合などはそれにあたることを明らかにしました。