日本共産党

2004年2月8日(日)「しんぶん赤旗」

防衛庁が口止め指示

技術者の派遣要請で軍需企業に

“マスコミにもらすな” 「イラク」審議影響恐れ


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防衛庁の指示を川崎重工の関係部署責任者に伝える連絡文書

 防衛庁が自衛隊のイラク派遣にともない、川崎重工業の技術者にも派遣を要請し、その事実を国会審議を理由にマスコミなど外部に漏らさないよう指示していることが七日までに本紙入手の社内連絡文書でわかりました。実態を隠したままイラク派兵の国会承認を急ごうとする防衛庁の姿勢があらためて浮かんできます。

 本紙が入手したのは、一月二十六日にイラクに派遣したC130輸送機の整備を行う川崎重工技術者の派遣準備要請に関するもの。それらによると、「防衛庁が川重に対して準備要請をした事が、外部に漏れぬよう細心の注意をするよう求められております」とし、防衛庁の参事官から再々度の念押しがあった、としています。

 防衛庁が念押ししている理由としては「自衛隊派遣に係る国会審議が山場を迎えている」「一部の報道機関からの問い合わせを受けている」ことなどをあげています。その上で、マスコミの取材に対して「(技術者のイラク派遣に対する)回答を差し控えてもらいたい」「記事の出る可能性を一日でも後ろに延ばしたい」旨の要請があったとしています。

 別の文書では、報道関係者が夜間に役員の家に行き、直接取材を行う可能性があるとし、「役員など主要な方にはこうした動きがあることをお伝えいただき…」と念を入れた注意喚起まで行っています。

 防衛庁は陸海空三自衛隊にイラク派遣命令を出し、すでに空、陸自が本隊を派遣しています。これに伴い、同庁は航空機や軍用車両、艦船の整備・修理の技術者の派遣を昨年十二月、軍需産業に打診。今年に入ってクウェートでのC130輸送機の機体整備を川重に、エンジンの整備・修理を石川島播磨重工業などに要請をしていますが、これらの事実を明らかにしていません。


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