2004年2月8日(日)「しんぶん赤旗」
|
公共図書館で働く視覚障害職員の会(なごや会)は七日、「出版物のアクセシビリティを考えるセミナー2004―著作権・出版権・読書権(アクセス権)の調和を求めて」を東京都内で開きました。視覚障害者などすべての人の知る権利、読書権を拡充するために何が必要か話し合いました。
現行の著作権法では、点字本の制作のみが著作権者の許諾を免除されています。音訳テープなどの制作は点字図書館や視覚障害者の福祉施設でしか認められていません。
音訳テープやデジタル録音図書(DAISY)を制作する会社「音訳サービス・J」の山本澄子さんは、「一人前の音訳者が育つには年数がかかる。仕事として確立して次世代につなげていくために、点字版にある原本との価格差補償の制度を、音訳版にも適用してほしい」と訴えました。
国立身体障害者リハビリテーションセンターの河村宏さんは「読む権利、情報にアクセスする権利を享受するには、国の補助も必要」と話しました。
日本文芸家協会常務理事でNPO法人日本文芸著作権センター事務局長の作家、三田誠広さんは著作権問題について、「今後、録音図書の制作にかんして、登録作家リストをつくり、著作権の一括許諾が出せるシステムを構築したい」と語りました。