2004年2月8日(日)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】約四十カ国の外相、国防相、軍事専門家が参加する国際安全保障会議が七日、ミュンヘンで開催され、フィッシャー独外相は米国などの主張する北大西洋条約機構(NATO)軍のイラク派兵に深刻な懸念を表明しました。
フィッシャー外相は、米英の占領が続きテロが横行するイラクの現状では、NATO軍を派遣した場合、「致命的な失敗になりかねない」と警告。イラクでの国連の中心的な役割を改めて要求しました。
ラムズフェルド米国防長官は大量破壊兵器が未発見の現状でも「米国のイラク戦争は間違っていなかった」と強弁。同長官の発言後の質疑応答では、会場から「イラクで大量破壊兵器の備蓄がないのに戦争をしかけたことをどう思うのか」「イラク戦争はテロ問題の解決にはならない。大量破壊兵器が見つからなかったことを反省すべきだ」と批判の声が相次ぎました。
ミュンヘンでは、国際安全保障会議に対抗して平和団体が米国からの参加者もまじえ、国際平和会議を開催。七日午後からのイラク占領反対デモには「NATOの世界戦争反対」「欧州連合(EU)の軍事化反対」などのスローガンを掲げ、約五千人がデモに参加する予定です。