2004年2月10日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の赤嶺政賢議員は九日の衆院予算委員会で、自衛隊が輸送任務にあたるバグダッド国際空港で攻撃が相次ぎ、政府が空輸活動を当面見送るとの報道も出ている問題をとりあげ、政府の説明に照らしても同空港は「非戦闘地域」に該当しないと追及しました。
石破茂防衛庁長官は、同空港に三日、ロケット弾二発が撃ち込まれ、五日には空港周辺の検問所に迫撃砲四発の砲撃があり、米兵一人が死亡、空港の施設内にも着弾したことを確認しているとのべました。
同空港への空輸活動について石破長官は「現時点でいつ開始するか決めていない。今後、各種要件を慎重に勘案する」と明言を避けながら、同空港は「現時点では『非戦闘地域』に入る」とのべ、昨年十二月に作成した自衛隊派兵「実施要項」と全く同じ認識を繰り返しました。
赤嶺氏は、石破長官が同空港を「非戦闘地域」と認定した根拠の一つに「防護手段で周囲を囲まれた隔離された場所。内部まで攻撃は及ばず、戦闘行為は生じない」ことを挙げていたが、「この根拠は完全に崩れた」と指摘し、「派兵先にありき」の政府の姿勢を厳しく批判しました。
「『市評議会』と書いてあったらその通りですが、『サマワ市評議会等(とう)』と書かせていただきました」
自衛隊派兵命令の根拠の一つになっていた「サマワ市評議会」の存在をめぐってまた“珍答弁”が飛び出しました。
九日の衆院予算委員会で日本共産党の赤嶺政賢議員が、防衛庁の文書「イラク関連資料」を示して、「自衛隊の医療支援も給水活動も“サマワ市評議会と連携する”となっている。存在しない評議会とどう連携するのか」と追及。石破茂防衛庁長官が持ち出した“へ理屈”が冒頭の答弁です。
防衛庁の資料には「真っ先に『市評議会』と書いているのに、実は『等』に意味がある」(赤嶺氏)というわけです。
派兵命令の根拠が崩れてもなお非を認めず、とにかく自衛隊派兵先にありきで、理屈は後からどうにでもひねり出す――日本の進路にかかわる重大問題を国民と国会をあざむいて強行する政府の姿勢は許されません。(竹)