2004年2月11日(水)「しんぶん赤旗」
イラクに派兵される自衛隊部隊が、イラク国民に銃を向けることになる射撃・警護訓練を、東富士演習場(静岡)で八日からすでに実施し、陸上自衛隊の朝霞駐屯地(東京、埼玉)でも十五日から開始する計画であることがわかりました。日本共産党の赤嶺政賢議員が、十日の衆院イラク特別委員会で追及し、防衛庁が認めました。
北海道外での派兵部隊の訓練は初めてで、自衛隊とイラク国民が「殺し、殺される」(小泉純一郎首相)ことになる訓練を首都圏でも行うものです。
防衛庁の西川徹矢運用局長は、訓練するのは「北海道の部隊」の百四十人で、そこから選抜してイラクに派兵する方針を明らかにしました。
東富士演習場では、十三日まで、朝霞駐屯地では二十一日まで。
防衛庁は、東富士演習場では射撃訓練をおこない、朝霞駐屯地では「警備要領の訓練」(西川運用局長)とするだけで、詳細については明らかにしませんでした。
また、実際に派兵される警備部隊について、石破茂防衛庁長官は「(警備部隊が)正当防衛、緊急避難の場合、相手に武器を使用する」としながら、全部隊のうち警護要員がどの程度含まれるのか、警護活動の詳細については「いえない」と答弁を拒否しました。
赤嶺氏は「自衛隊の実際の活動について、何も知るすべがない答弁に終始した」と政府・防衛庁の姿勢を批判しました。