日本共産党

2004年2月11日(水)「しんぶん赤旗」

イラク追加派兵同意案

韓国国会が採決延期

「事実上の戦闘部隊」

与野党に慎重論広がる


 韓国の国会本会議で九日に予定されていたイラク追加派兵同意案の採決が、与野党に慎重論が広がるなか延期されました。同意案は国会国防委員会で同日、賛成十二、反対二で可決されましたが、与野党は国会前での連日続く派兵反対行動にみられる世論を意識。「派兵決定の前に十分な討論が必要だ」との意見で一致し、本会議上程を見送りました。

 政府の派兵計画によると、追加派兵部隊は全体で約三千人。このうち約千八百人が戦闘兵力で、特殊戦闘師団の兵員が約千人を占めます。工兵、医療などの非戦闘兵力は残りの約千二百人と、すでに派兵されている約六百人を合わせて約千八百人。政府は「平和再建部隊」と名付けていますが、半数は精鋭部隊を含む戦闘兵力です。

 この派兵計画に対し、イラク戦争開戦から反戦を主張してきた議員が多い与党「開かれたウリ党」の九日の議員総会で「事実上の戦闘部隊派遣だ」との批判が噴出、同党は非戦闘部隊が中心となるよう部隊再編を要求することを決議しました。さらに同日、野党・新千年民主党も議員総会で同様の理由で派兵案反対を決めました。

 国会国防委員長の張永達議員(ウリ党)の自宅には九日朝、十数人の市民団体代表が訪れ派兵反対を訴えました。張氏は採決にあたって、「議長は採決に参加しない」との慣例を破り反対票を投じました。

 一方、保守野党・ハンナラ党は派兵に積極賛成の立場ですが、「戦争推進勢力」と批判されかねないため、みずから率先して本会議採決に持ち込むことには及び腰です。

 韓国では四月十七日に総選挙が予定され、各議員は世論の動向に敏感になっています。一部の市民団体が、派兵に賛成した議員の落選運動を展開すると宣言していることも、各党に影響を与えています。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp