2004年2月14日(土)「しんぶん赤旗」
|
「“百年安心”などどこにもない」――。日本共産党の山口富男議員は十三日の衆院予算委員会で、年金問題を取り上げ、政府のいう「百年安心」はまやかしと追及しました。改悪法案は、厚生年金保険料を毎年一万円ずつ十四年連続、国民年金保険料を十三年連続引き上げ、二〇一七年度には合わせて今より四兆円以上の負担が国民にのしかかります。
山口氏の指摘に、坂口力厚生労働相は「単純計算でだいたいそうなる」と認めました。
山口氏は「給与が三年連続で減っている中で毎年一万円の負担増はたいへんな重さだ」と強調。「家計を直撃して消費を冷え込ませ、不況からの脱却にも厳しい条件をつくる」と批判しました。
小泉純一郎首相は「年金の保険料だけでなく、財政・金融など総合的にみるべきだ」と深刻な影響を見ない姿勢を示しました。
山口氏は、政府案では「給付水準は上がることはない。下がるだけだ」と指摘。「リストラ・賃下げ方針に歯止めをかけなければ、年金の給付水準は下がるばかりだ」と強調しました。
厚生年金「モデル世帯」の給付水準を平均所得の50・2%に維持するという政府方針は、〇九年度以降の賃金上昇率を2・1%、物価上昇率を1%などと見込んで試算しています。
山口氏は「小泉政権の三年間だけでも、賃金、物価は下がりっぱなしだ。“50%確保”という展望はあやふやだ」と述べ、「この前提が今後百年間、確保できる保証があるのか」と追及。
厚労相は「百年先どうなるかと言われても答えにくい」と答え、山口氏は“百年安心”はまやかしでしかないと批判しました。