日本共産党

2004年2月17日(火)「しんぶん赤旗」

偽情報流した米英批判

ブリクス前国連査察委員長 「醜聞だ」


 【ベルリン=片岡正明】イラク戦争前に同国の大量破壊兵器査察の指揮をとったブリクス前国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長は十五日、ドイツのハイデルベルクで講演し、イラクの大量破壊兵器に関する米英情報組織による偽情報について「スキャンダルだ」と強く批判しました。

 ブリクス氏は、民主主義国家の政治家は戦争を始めるさいには批判的な検討が必要なのに、「ブッシュ米大統領とブレア英首相は情報の売り手(の立場)になっていた」と指摘。ニジェールで核取引をしたという米国からの情報が「国際原子力機関(IAEA)によってわずか一日でうそだと確認されたことはスキャンダルそのものだ」と発言しました。

 ブリクス氏は、UNMOVICとIAEAがイラク戦争前に七百カ所以上を捜索したのに大量破壊兵器を発見できなかったことに触れ、それは「イラクに大量破壊兵器があったとしても備蓄が多くないことを示すものだった」と言明。「イラクに大量破壊兵器の備蓄はなかった」とのケイ前米イラク調査グループ(ISG)団長の証言内容が、戦争前の査察でほぼ確認されていたことを指摘しました。


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