2004年2月17日(火)「しんぶん赤旗」
アラブ首長国連邦(UAE)のアルバヤン紙十四日付は、「親切な日本人よさようなら」と題する論評記事を掲載、日本政府によるイラクへの自衛隊派兵を痛烈に批判しました。
同記事は、イラクへの自衛隊派兵が日本の軍事史における分岐点となると指摘したうえで、「イラク占領への日本の参加は、たとえそれが象徴的な数による軍隊ではあっても、日本がこれまで他国との外交関係をつくるうえで、親切で平和的な国として自らを演出してきた努力を台無しにするもの」と強調しています。
その理由として、同記事は、日本の自衛隊派兵が、大量破壊兵器保有というイラク戦争の大義が崩れるなかで行われたことをあげています。
記事は、日本政府が派兵目的をイラク復興だというなら軍隊の代わりに民間の技術者を派遣すべきであるとし、「復興というスローガンは、米国がイラク占領のためについているうそに新たなうそを付け加えるものでしかない」と述べています。
また「日本はイラクで、過去の軍事的栄光復活の機会を見いだそうとしているようだ」と強調しています。
さらに今回の日本の派兵は、第二次世界大戦時に日本の軍隊が、中国や朝鮮、フィリピンなどアジア諸国で野蛮な犯罪を犯し、それにたいする謝罪をいまだ行っていないことを想起させ、「日本は現在、イラクで過去と同じ過ちを繰り返すことによって米国に協力しようとしている」と結論づけています。