2004年2月18日(水)「しんぶん赤旗」
南アフリカ出身で一九八四年にノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ツツ元大主教は十六日、ロンドン市内で講演し、ブッシュ米大統領とブレア英首相にたいし、イラク戦争をおこなったことの誤りを認め謝罪せよと要求しました。同市からの報道が伝えました。
ツツ元大主教は、米英がイラク戦争を正当化するために利用した大量破壊兵器に関する虚偽の情報を「危険なほど誤っていた」とのべ、「不道徳な戦争はこのようにして引き起こされた。そして世界は以前に比べ非常に不安定になっている」と強調、国際世論を無視して強行されたイラク戦争が世界に与えた影響を告発しました。
同氏はまた、米英首脳がイラク戦争の誤りを認めれば尊敬を回復する道も開かれるとする一方、「弱くて不安な人々は『申し訳なかった』ということをほとんど口にしない。寛大で勇気ある人間なら、『私は間違いを犯した』と言っても名誉は傷つかない」とのべ、責任を回避しつづける両首脳に道理を説きました。
ツツ元大主教は、南アのアパルトヘイト(人種隔離)体制にたいする非暴力のたたかいを評価され、ノーベル平和賞を受賞。イラク戦争開戦前にも、イラク戦争回避のための大量破壊兵器の査察継続を求め、たびたび発言していました。