2004年2月18日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本共産党は人畜感染症対策を検討中なのでしょうか?(静岡・一読者)
〈答え〉 日本共産党は、人畜共通感染症の事例が増える中で、対策を国に求めてきました。一九九七年三月十九日の衆院農林水産委員会での家畜伝染病予防法改正の審議では、農林水産省が、家畜伝染病予防法の運用に当たって人畜共通感染症を対象にしていないことをきびしく批判し、人畜共通感染症対策の一環として、ペット検疫をただちに実施するよう質問をしました。
その後も、農林水産省や厚生労働省に対して、人畜共通感染症を両省共管として、一体としてとりくむよう要求してきました。その結果、〇三年四月の家畜伝染病予防法の改正で厚生労働大臣との連携強化が盛り込まれ、家畜伝染病予防法に、人畜共通感染症の概念がようやく取り込まれたのです。
現在、家畜伝染病予防法の運用は、国境措置としては、動物検疫所で、国内では、家畜保健所と各都道府県でおこなうことになっています。検疫体制の規制緩和などの問題がありますが、不十分ながらもマンパワーと検査機器を備えており、人畜共通感染症対策でも第一線に立たなければならないところです。
しかし、感染症対策としての人畜共通感染症対策の指針をたてるのは、厚生労働省の結核感染症課になっています。つまりヘッドが厚生労働省で、手足が農林水産省の動物検疫所や家畜保健所、都道府県というタテ割り行政のため、人畜共通感染症対策が適切に運用できていないというのが現実です。鳥インフルエンザ問題では、家畜保健所や各都道府県は、人畜共通感染症としての鳥インフルエンザの脅威に対する認識が甘いため、一般の家畜伝染病予防法としての対応に終始しがちで、山口県でも、初動のミスにつながったとされています。このようなタテ割り行政の弊害是正が大きな課題といえます。(小)
〔2004・2・18(水)〕