2004年2月21日(土)「しんぶん赤旗」
マレーシアの華字紙南洋商報十九日付は「小泉首相は『日本の墨子か?』」と題する論評記事を掲載し、国会の施政方針演説で中国の思想家孟子や墨子の言葉を引用してイラクへの自衛隊派兵を正当化しようとした小泉首相を厳しく批判しました。
記事は、「小泉首相は『批判されようが気にするな』という趣旨の墨子の言葉を引用したが、彼は墨子が人間の平等と博愛を主張し、侵略戦争に反対して大国による小国への覇権的行為を批判した人物であったことを知らない」と指摘。「墨子は戦争のなかでも弱者を助け、強者の横暴に抵抗した思想家である。小泉首相が『反戦思想』にふれず、墨子の言葉を用いて日本が米国のイラク侵略の手助けをするのを正当化しようとしたのは軽率で国際的には笑い草である」と述べています。
そして、「日本のイラク出兵は戦争放棄をうたう平和憲法に違反しており、まったく道理がない。イラクを侵略した米国はいまだに大量破壊兵器を発見できていない。イラクでは外国の軍隊が反米勢力から襲撃を受けており、日本の自衛隊への攻撃も公言されている」と指摘しています。
記事は、「日本の民衆の当面の急務は、小泉首相の米国べったりの軍事優先主義をやめさせ、泥沼に足を突っ込ませないことだ。戦前の侵略戦争の悲劇を繰り返してはならない」と結んでいます。