日本共産党

2004年2月21日(土)「しんぶん赤旗」

解説

児童福祉司増員

40年以上そのままの法令―――配置基準改善が急務


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 児童福祉司がこの間、増員されてきたのは、交付税額の算定基準を改善した結果ですが、児童虐待の深刻な現状に照らせば、なおいっそうの整備が急務です。

 児童虐待防止法施行後(〇二年二月)に実施した日本子ども家庭総合研究所の調査で、現場の児童福祉司の九割は、児童相談所の業務をおこなうのに現在の配置人数は「問題がある」と答えました。自由記述覧に最も多く回答されていたのも、人員不足と業務過多の問題でした。「もう心身ともに疲れきっており、いつ倒れても不思議ではない」という悲鳴に近い声です。

 地方交付税を算定する際の児童福祉司数は、一九五七年から四十二年間、人口百七十万人規模の都道府県(標準団体)あたり十六人のまま改善されていませんでした。児童虐待防止法が成立した二〇〇〇年度からようやく増員が認められ、全国の児童福祉司は二〇〇三年には千七百三十三人になりました。一九九九年の千二百三十人から五百三人増えたことになります。

 しかし、相談件数の伸びには追いつかず、一人あたりの相談は虐待だけで年十四件に及んでいます。

 児童福祉司を抜本的に増員するためには、地方交付税上の措置だけではなく、四十年以上改善されていない「人口おおむね十万―十三万人に一人」という児童福祉司についての国の配置基準(児童福祉法施行令)を改善する必要があります。

 日本共産党は、第二十三回党大会決議で、「幼児虐待の増加などにもかかわらず、子どものための専門機関の整備が遅れていることも放置できない問題」と指摘し、この解決に力を尽くしています。(江刺尚子記者)


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