2004年2月21日(土)「しんぶん赤旗」
政府は昨年成立させた「有事法制」で放送局を「有事」=戦時に動員する「指定公共機関」にするとともに、今国会に提出を準備している「国民保護法案」でその具体化を狙っています。この問題で二十日、メディア研究者二十七氏が連名でNHKへの質問書を提出しました。
NHKは「指定公共機関」問題への意見を昨年十二月に公表しましたが、そこでは運用上の問題点を指摘するだけで「指定」そのものに反対の態度は表明していません。質問書は日本民間放送連盟がすでに「受け入れない」態度を表明していることを指摘。NHKに明確な態度を表明するように求めています。
質問書は放送局を「指定公共機関」とし、政府の管轄下におくことは「報道や表現の自由と根本的に相容れない」と批判。NHKがこの制度を容認するのであれば「報道機関としての性格を変質させ、視聴者の信頼を裏切ることになる」と指摘しています。
「質問書」の呼びかけ人の一人、ジャーナリストの原寿雄さんは「この制度は報道が政府の指揮下に入り、広報化するもの。NHKの姿勢はジャーナリズム全体に大きな影響を与える」と話します。
「質問書」はNHKに来月十五日までの回答を求めています。