日本共産党

2004年2月21日(土)「しんぶん赤旗」

たばこ規制枠組条約とは?


 〈問い〉 昨年五月に採択された「たばこ規制枠組条約」とは、どんな条約ですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 「たばこ規制枠組条約」は、たばこの消費削減にむけたとりくみを世界的に進める条約です。たばこの強い依存毒性や、喫煙・受動喫煙による深刻な健康破壊が世界の共通認識となる一方、アメリカや日本などの巨大たばこ企業が途上国でも販売戦略を展開し、健康被害や経済的・社会的悪影響も地球規模に広がりました。条約は、これらの事情を背景に作成が進められていたものです。

 条約は二〇〇三年五月、世界保健機関(WHO)年次総会で採択されました。各国で批准にむけた作業が進んでいます。しかし、アメリカの意を受けた日本などの抵抗で、実効性が弱まったものも少なくありません。

 例えば“他製品より害が少ない”などの誤った印象を与える表示を禁止した第十一条では、「ライト」「マイルド」などの語の使用が争点となり、日本の抵抗で、禁止事項に「含めることができる」と各国に判断を委ねる規定になりました。財務省はこれを受け、マイルド等の語を使用する国内向け製品には、消費者が留意すべき文言(ディスクレーマー)を表示すればよいとの方針を示しています。

 また、たばこの有害性の警告表示も、条約は「主たる表示面の両面の50%以上を占めるべきだが」と述べつつ、「30%以上を占めなければならない」とするにとどまりました。

 各国に、たばこ広告・販売促進などを包括的に禁止させる十三条にも、「自国の憲法又は憲法上の原則により包括的禁止を行わない」国の規定が設けられました。財務省は日本がこれにあたるとし、「未成年者の喫煙防止に十分配慮」「広告が過度にわたり幅広く積極的に喫煙を勧めることのないよう」との水準にとどめようとしています。それでも、公共交通機関のたばこ広告を禁止する方向で規制づくりが進むなど、国民の運動の成果もみられます。(水)

 〔2004・2・21(土)〕


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