2004年2月24日(火)「しんぶん赤旗」
イラクへの自衛隊派兵が本格化しているなか、国を相手に、自衛隊のイラク派兵は憲法九条違反として、今後の派兵の差し止めなどを求める訴訟が二十三日、名古屋地裁に起こされました。名古屋市の弁護士らの呼び掛けに応えた沖縄から北海道、海外の二人も含む、計千二百六十二人の原告による集団提訴です。イラク派兵をめぐっては、一月二十八日に箕輪登元郵政相が同様に差し止め訴訟を札幌地裁で起こしていますが、集団提訴は初めてです。
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訴状は、今なお戦火の絶えない戦地へ自衛隊を派兵することは、非戦の誓いをうたった憲法九条に反することは明らかであること、自衛隊がイラクの市民を殺し、あるいは殺される事態が生じかねないことを指摘しています。
その上で、派兵により平和的生存権が侵害されたとして、自衛隊のイラクとその周辺への派兵差し止め、イラクへの自衛隊派兵が違憲であることの確認、慰謝料の支払いを求めています。
自衛隊イラク派兵差止訴訟の会の池住義憲代表(59)は会見で「次の世代のためにも、悔いを残したくないと思っています。裁判所には逃げずに正面から憲法判断してほしい。そうさせるためにも市民が声を出していかないと。この裁判は、図らずも何かしたいと思っていた多くの人たちに思いを示す糸口を与えることになったのだと思います。できるだけ多くの人の声を合わせ、戦争をしない国、憲法九条を守っていきたい」と語りました。
また原告の伊藤めぐみさん(18)=三重・桑名市=は「ニュースなどを見て自分の感覚が派兵に慣れてしまっていくのが、とても怖いと思った。イラクの人たちの生活を本当に良くするための支援を日本はするべきだと思う」と話しました。
会は今後も原告を募り第二次、三次訴訟につなげたいとしています。