2004年2月25日(水)「しんぶん赤旗」
政府は二十四日、「第四回国民保護法制整備本部」(本部長・福田康夫官房長官)を開き、有事法制具体化の一環として「国民保護法案」の「要綱」を決定し、「米軍支援法案」など他の六法案の「要旨」を報告しました。また、適用範囲を大幅に拡大したACSA(日米物品役務提供協定)改悪案など、三協定を提出する方針を示しました。
今国会に提出予定の有事法案・協定 ●法案 |
これら法案・協定は昨年六月に成立した「武力攻撃事態法」で整備が定められているもので、米軍の海外での先制攻撃に自衛隊や自治体・民間を総動員する有事法制の根幹を形づくるものです。
このうち「米軍支援法案」では、自治体や民間企業・団体が米軍への支援を「要請されたときは、その要請に応じるよう努めるものとする」と規定しています。陣地構築のため米軍への土地・家屋の提供も定め、立ち入り検査を拒んだ場合の罰則も盛り込まれています。
自衛隊は、米軍の海外での軍事作戦で引き起こされる「武力攻撃予測事態」から、米軍に武器・弾薬をふくむ物品・役務を提供することが可能となっています。
「特定公共施設利用法案」では首相の権限による民間空港・港湾の強制使用などを定めています。民間船舶が制限海域に立ち入った場合の罰則も設けています。
「国民保護法案」では発動要件として、大規模テロなどの「緊急対処事態」が新たに加えられました。物資の収用、土地使用の要請を拒否した場合など、十一項目の罰則が設けられました。
「外国軍用品等の海上輸送規制法案」では、公海上で海上自衛隊による外国艦船の強制的な停船検査を定め武器使用も認めています。
政府は、三月上旬に七法案と三協定を国会に提出する方針です。