日本共産党

2004年2月26日(木)「しんぶん赤旗」

韓国のハンセン病元患者が補償請求

“強制労働や体罰”

日本政府は早く解決を


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厚生労働省の担当官(左)に85人の補償請求をする弁護団の国宗直子弁護士(右)と来日した韓国の入所者=25日、東京・霞が関の厚生労働省

 韓国・全羅南道のハンセン病療養所「小鹿島(ソロクト)更生園」に日本植民地支配当時に強制収容された韓国の入所者八十五人が二十五日、日本のハンセン病補償法に基づく補償請求を厚生労働省に行いました。

 昨年十二月に二十八人が行ったのに続く第二次請求です。請求者の一人姜禹錫さん(78)と患者自治会の金明鎬会長(55)ら四人が来日し、申請するとともに、衆院厚生労働委員会委員長など国会議員への要請をしました。

 記者会見した姜さんは「日本の植民地支配のなかで口には表せない過酷な扱いを受けた。施設内のレンガ工場で強制労働をさせられ、体罰は毎日あった。粗末な食事で体はぼろぼろになった。早急に補償してほしい」と訴えました。

 金会長は「過酷な強制労働で亡くなった人もあり、一日も早く解決することを願います」と話しました。

 この問題で坂口力厚生労働大臣が「日本人(の入所者)を想定しているもので、外国人までは想定していない」とのべて、補償に背を向けた発言をしていることに姜さんは「不当だ」とのべました。金会長も「私たちは自由意思で入所したわけではなく、強制的に入れられた。施設のなかはすべて日本人がやっていたもので(大臣の発言は)不当だと思う」と話しています。

 今回請求した八十五人の最高齢者は九十六歳。平均年齢も八十二歳と高齢化していて、ハンセン病小鹿島更生園補償請求弁護団(事務局長・国宗直子弁護士)は迅速な解決をもとめています。請求が認められなかった場合は行政訴訟を起こす考えです。


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