2004年2月26日(木)「しんぶん赤旗」
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日本弁護士連合会と東京、第一東京、第二東京の三弁護士会は二十五日、自衛隊のイラク派遣に反対する緊急報告集会「イラク民衆の目から自衛隊を見る」を東京・霞が関の弁護士会館で開催、医療支援にとりくむ弁護士らがイラクの現状を報告しました。
小児病院への医療支援活動などをしている「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」代表の小野万里子弁護士は、支援のきっかけはイラクを訪問し、劣化ウラン弾の被害で「子どもたちががん病棟にずらりと並び、滞在中にも死んでいった。大変なショックをうけた」ことだったと語りました。
小野さんは白血病の子どもと二人のイラク人医師を日本に招き、治療と研修の支援をしています。小野さんは「市民が、非軍事の支援をできる。イラクの現状をわかろうとすれば必要な支援はわかる。片手に支援品、片手に銃、は一般のイラク人には受けいれられない」と強調しました。
劣化ウラン弾によるイラクの「ヒバクシャ」のドキュメンタリーを制作した映画監督の鎌仲ひとみさんは「日本の被爆者と同じことがイラクで起きている」と報告。「これから百万人が死ぬといわれる。自衛隊員も被ばくする。イラク人は、子どもが死んでいき、それがアメリカのせいだと知っている。アメリカのいうままに送られてきた自衛隊がどう見られるかは自明だ」と話しました。
日弁連の本林徹会長は「日弁連の二万人の会員はいろいろな思想信条、政治見解をもっているが、その相違を超え、法律家団体としてイラク派遣に反対している。イラク特措法は憲法違反の恐れが強く、政府の憲法の恣意(しい)的解釈、なしくずしは容認できない」とあいさつしました。