2004年2月27日(金)「しんぶん赤旗」
【ロンドン=西尾正哉】英国のショート前国際開発相は二十六日のBBCラジオ4のインタビューで、英情報機関が米英軍のイラク侵略戦争開始に至る時期に、アナン国連事務総長の事務所を盗聴していたと語りました。英国では二十五日、米国が国連安保理理事国を対象に盗聴したとするメモを漏えいした元英情報機関職員の起訴が突然取り下げられており、英国の国連でのスパイ活動を裏付けるもので、ブレア首相は厳しい批判を受けることになりそうです。
同放送で、ショート氏は、「英国はこの時期、コフィ・アナンの事務所をスパイし、何が進んでいるかの報告を受けていた」と述べ、「(盗聴は)確かに行われており、コフィの場合、しばらくの間、行われていた」と語りました。
同氏はまた、「コフィ・アナンの会話記録を読んだことがある」と述べ、英情報機関に国連本部内でのスパイ活動が指示されていたことを確認しました。
ショート氏は、イラク戦争に反対して国際開発相を辞任し、政府批判を続けています。
ショート氏の発言について、英首相府は「情報活動についてコメントは一切できない」と述べました。しかし、ブリュッセル駐在国連代表のハッセン・フォーダ氏は、アナン氏に対する盗聴は不法行為であり、「国連の業務は完全な透明性を保っており、スパイ活動の必要性はない」と述べています。