2004年2月27日(金)「しんぶん赤旗」
民主党の西村真悟衆院議員は、二十五日に東京都内で開かれた「教育基本法改正促進委員会」の設立総会のあいさつで、「お国のために命を投げ出すことをいとわない機構、つまり国民の軍隊が明確に意識されなければならない。この中で国民教育が復活していく」「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す」(「朝日」二十六日付)などと発言しました。
戦前、「お国のために」と侵略戦争に国民をかりたてた軍国主義教育を美化するとともに、国民に戦争のために命を投げ出すことを迫るとんでもない暴言です。現憲法下での政治家としての資格が問われます。
同時に、西村氏の発言がイラク派兵が強行されるもとで行われたことも重大です。結局、自衛隊の海外派兵は、国民に「命を投げ出す」ことを求め、そのための教育基本法改悪を狙っていることを示しています。
西村氏が参加した「促進委員会」は自民、民主両党国会議員でつくった議員連盟で、後ろ盾は改憲右翼団体の中心となっている日本会議(三好達会長)。自民、公明両党の実務者による「与党教育基本法改正に関する検討会」が今国会への教育基本法改悪案の提出を見送ったことから、民主党を取り込み、法改悪の動きを加速させる狙いがあります。西村氏の発言は、こうしたなかで行われたもので、一議員の暴言ではすまされません。
憲法は、二千万人を超えるアジア諸国と三百万人を超える日本国民の生命を奪った侵略戦争の痛苦の反省のうえにたって生まれたもので、教育基本法は、憲法の平和と民主主義の理念を具体的に実施し保障する法律です。
西村氏の発言は、それを目の敵にし、歴史逆行の道に突き進めるものです。西村氏は、教育を語る前に、「征伐隊」を名乗り襲撃事件をひきおこした「刀剣友の会」の最高顧問を務めたことなど、みずからのけじめをつけることが先決です。
(高柳幸雄記者)