2004年2月28日(土)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相の二○○一年八月十三日の靖国神社参拝をめぐり、戦没者遺族や宗教家ら計六百三十一人が「職務としての参拝は憲法の政教分離規定に違反し、精神的苦痛を受けた」として、首相と国、靖国神社を相手取り、慰謝料や公式参拝差し止めなどを求めた訴訟の判決が二十七日、大阪地裁でありました。
村岡寛裁判長は「内閣総理大臣の資格で行ったと認めるのが相当」と述べ、参拝の公的性格を認定しました。宗教的活動を禁じた憲法二○条の「国及びその機関」の活動にも当たると指摘しましたが、踏み込んだ憲法判断はせず、違憲確認と差し止めの請求は却下、慰謝料請求は棄却しました。
小泉首相の靖国神社参拝をめぐっては、同様の訴訟がこれを含めて全国六地裁で七件係争中で、最初の判決となります。
口頭弁論で原告側は「首相の参拝は政教分離原則に反する。信教の自由を侵された上、継続されればさらに被害を受ける」と主張。
首相や国側は「私人としての参拝で、権利や法益の侵害はない」としていましたが、このような弁明が成り立たないとされたことは、重要です。