2004年2月28日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 集団的自衛権の問題について、日本共産党の立場をわかりやすく教えてください。(東京・男性)
〈答え〉 集団的自衛権は、国連憲章で規定されてはいますが、個別的自衛権のように定着した権利ではありません。それどころか、この考えは、あらかじめ敵国を想定して軍事同盟をつくるというものであり、二度にわたる世界大戦を引き起こすきっかけとなりました。国連憲章制定以降も、集団的自衛権をかかげておこなわれた戦争は、アメリカのベトナム侵略やソ連のアフガニスタン侵略など、違法な侵略戦争でした。
日本が個別的自衛権をもっていることは自明です。しかし、以上にのべたことからみて、集団的自衛権を保有しているとはいえません。ましてや、「戦力」を禁じている憲法九条のもとで、戦力である自衛隊を他国の軍事紛争に関与させることは、絶対にあり得ないことです。
集団的自衛権の核心は海外で武力を行使することです。
武力の行使とは、読んで字のごとく、武装した力、すなわち軍隊を使用することによって、敵対する相手に自国の意思を強制することです。この点では、アフガニスタンに対するアメリカの軍事作戦に自衛隊を派遣し、後方支援をしていることも、事実上は集団的自衛権の行使です。NATO諸国は、同じ作戦への後方支援を集団的自衛権だと説明しています。自民党政府は、国際的に通用しない詭弁を使って、憲法に違反する行為をしているということです。
いま自民党政府がねらっている集団的自衛権の行使とは、現在のゆがんだ解釈からさらにすすんで、戦闘地域にまで派兵し、敵の部隊を破壊し、殺りくする行為まで憲法で許容しようということであり、許してはならないと考えます。
なお、個人のものですが、松竹伸幸著『「集団的自衛権」批判』(新日本出版社)は、この問題を包括的に扱ったものであり、参考になると思います。(松)
〔2004・2・28(土)〕