2004年3月1日(月)「しんぶん赤旗」
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難病患者の医療費を助成する制度(特定疾患治療研究事業)が昨年十月から変更された影響で、「患者の六割が負担増になった」とする調査結果を日本患者・家族団体協議会(JPC)と全国難病団体連絡協議会が、このほど明らかにしました。調査は両会の加盟団体を通じて行われ、有効回答数は八百二十件あまり。
難病患者の医療費自己負担は昨年九月まで一律定額でしたが、十月から所得によって七段階に区分されました。
調査は制度変更の影響について変更手続きの問題点や負担の変化をききました。「支払った自己負担額が九月以前にくらべてどうなったか」という設問に、「高くなった」とする回答が60・4%にのぼり、以下「変わらない」が23・7%、「少なくなった」が9・5%となりました。
また、七段階区分の患者分布の調査では、市町村民税非課税と所得税非課税の世帯があわせて四割もいました。一方、区分のなかで最も多いのは最高段階の層で25%を占め、負担増が明らかになっています。
調査結果について伊藤たておJPC代表幹事は「多くの患者が医療費の自己負担が増える結果となった。低所得者が多いことも明らかになった。いずれにしても医療費の支出を削減するために多くの難病患者・家族に大きな負担や不安を与えている」としています。
患者団体には負担増で深刻な事例が報告されています。ベーチェット病友の会大阪府支部に訴えを寄せてきた予備校生男子の場合、本人に収入はなく、地方在住の親の所得で自己負担が決められました。
予備校生は「九月までは千円札一枚あれば病院にいけた。しかし、いま眼の発作をおこしているが、一万円札一枚あっても足りないと思うと、怖くて病院に行けない…」と訴えました。
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難病制度の改善を求める日本共産党の小池晃参院議員の話 坂口厚労大臣は「自己負担は無理のない範囲内で」と国会で答弁しましたが、大きな負担となる実態が明らかになりました。医療費が心配で病院に行けず、病状が悪化することがあってはなりません。ただちに負担増を撤回するようあらためて要求します。