2004年3月3日(水)「しんぶん赤旗」
【カイロ=岡崎衆史】イラクからの報道によると、首都バグダッドと中部のカルバラで二日午前(日本時間同日午後)ほぼ同じ時間に多数の爆発があり、百四十人以上が死亡し、多数が負傷しました。現場はいずれもイスラム教シーア派モスクやその付近。事件当時イスラム教シーア派の祭典「アシュラ」が行われ多数のシーア派住民で混雑しており、爆発はこれを狙ったものとみられます。
バグダッドのシーア派地域カゼメヤでは、同派モスクの付近で四回の爆発があり、少なくとも七十五人が死亡、多数が負傷しました。
シーア派の聖地カルバラでは五回の爆発があり、カタールのアルジャジーラ・テレビによると、七十人以上が死亡しました。同地はイラク内外から多数の巡礼者が集まっており、推定で人口二百万人に膨れ上がっていました。
カルバラからの報道によると、多くの人は顔や腕から血を流し、中には負傷した子どもを抱きかかえて逃げ惑う母親も。「米軍がいても、平和にならない」と怒りをぶちまける人もいました。現場には救急車や警察の車両がけたたましいサイレンを鳴らして到着し、負傷者を病院に運びました。