2004年3月3日(水)「しんぶん赤旗」
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世界同時反戦行動日の三月二十日にローマで行われる大規模デモ行進への参加を呼び掛ける「平和キャラバン」が二十八日、イタリアの四都市(ジェノバ、トリエステ、カタニア、マダレーナ)から出発しました。四コースに分かれて合計百以上の都市を訪問、二十日にローマに結集、共和国広場で開かれる大集会に合流します。
イラク戦争を機に結成された全国調整委員会「戦争をとめよう」が呼び掛けたもの。平和、人権団体や労働組合、政党などで構成されます。
訪問地では市民を交えた討論会や演劇、コンサート、展示会を行うほか、地方自治体の議員と会見し、イラク占領終結の立場を取るよう求めます。占領終結とイタリア軍撤退、欧州憲法に戦争拒否条項を盛り込むことの是非についての模擬投票も行います。
北部のアビアノやシチリア島のシゴネラなど米軍基地のある都市では基地の撤去を訴えます。
北東コースのまとめ役、ファビオ・アマート氏(共産主義再建党)は「イタリア政府は米英に追随して派兵しましたが、撤兵世論も成長しています。できる限り多くの都市を訪れてデモを成功させ、政府に打撃を与えたい」と語っています。島田峰隆記者
二十日にドイツのラインラント・ファルツ州のラムシュタイン米軍基地前でおこなわれる集会のスローガンは、「国際法違反の先制攻撃戦争をこれ以上許さない」「すべての核兵器の廃絶」。一万人以上が参加する予定です。同集会には八都市からの貸し切りバス運行が予定されています。
集会では核兵器廃絶と先制攻撃戦争反対の集会アピールが採択され、ベルリンの駐独米国大使へ届けられます。
また、現地集会に参加できない人のためにベルリンで大集会がおこなわれるほか、ブレーメン、ハンブルク、フランクフルト、カールスルーエなど十九都市でデモ・集会が計画されています。
ラムシュタインでの集会主催者の一つ、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部のフランケ・ウエ氏は「米国の覇権主義むきだしの先制攻撃戦争はとても危険な段階にあります。国際法違反を許さず国連の権威をとりもどすことが必要です。ラムシュタインには米軍が六十五発の核兵器を保持しており、核兵器による脅しをやめさせるためにも核兵器廃絶を強く要求します」と語りました。
また、オーストリアのウィーン、スイスのベルン、オランダのアムステルダム、デンマークのコペンハーゲン、ポーランドのワルシャワ、チェコのプラハなどでも二十日に集会・デモが予定されています。(ベルリン=片岡正明)
イラクへ侵略し、占領政策を継続するブッシュ共和党政権への批判が高まる米国では、ニューヨーク、サンフランシスコなど大都市で数十万規模の集会・デモが計画され、最大規模の米軍基地があるノースカロライナ州ファイエットビルはじめ、全米百四十カ所以上で抗議集会が開かれます。
米国で行動の準備をすすめているのは、二大反戦連合体の「平和と正義のための連合」(UFPJ)と「国際ANSWER(戦争終結、人種差別停止を今こそ)」。二大団体が共同して参加するのは、昨年二月十五日の大集会、デモ以来で、平和・人権団体メンバーや米兵の家族など反戦の呼びかけに呼応する多くの国民が集結します。
イラクでの占領の停止と、ブッシュ政権の軍事にたよる外交政策の転換、同時多発テロ後に制定・施行された国民を不当に監視・拘束する「愛国者法」の廃棄などをよびかけます。また、イスラエルによる分離壁の建設など緊迫しているパレスチナ情勢もテーマになります。
二十日の集会の前に、国内の青年・学生組織による、「爆弾をやめ教科書を」と銘打たれた反戦行事が全米各地で繰り広げられます。また、アメリカ・フレンズ奉仕委員会メンバーによる、イラク訪問報告集会が一日から二十日まで、全米各地で開かれます。
また、カナダのモントリオール、トロント、バンクーバー、ノースバットルフォードなど、メキシコの首都メキシコ市、プエルトリコのサンフアン、チリのサンティアゴなどでも二十日の国際共同行動が準備されています。(ワシントン=遠藤誠二)
ニュージーランドでは、首都ウェリントンとクライストチャーチ、オークランドでデモ、集会が予定されています。オーストラリアではキャンベラ、メルボルン、パース、アデレード、ビクトリアなどの都市。アジアではタイのバンコク、バングラデシュのダッカ、インドネシアのジャカルタなどで集会、デモなどが準備されています。
イラクでの大量破壊兵器問題についてブレア英政権が情報操作を行っていた疑いがさらに深まり、クレア・ショート前国際協力相が開戦前の英米情報機関によるアナン国連事務総長盗聴を暴露するなど、イラク戦争の正当性にかかわる論議が続く中で英国の戦争ストップ連合は国際共同行動に準備を進めています。
英反戦運動の共通のスローガンは「うそはもうたくさん、ミスター・ブレア」。二十日にはロンドンで正午からハイドパークからトラファルガー広場までの大規模な全国デモが予定されているほか、スコットランドのグラスゴーなどでの地域デモが予定されています。
アイルランドでは、同日午後三時、ダブリンで集会とデモが行われます。
フランスでは、昨年十一月の欧州社会フォーラムの呼びかけにもとづき、早くから三月二十日を行動日に指定。二月末時点で平和民主団体、労組、政党など約四十団体の賛同を得て、当日はバスティーユ広場で集会を予定しています。また全国いくつかの都市で、平和シンポジウムや集会などが予定されています。
ベルギーでは八十団体が当日の行動に賛同し、首都ブリュッセルでのデモ行進を予定。そのほか、ギリシャのアテネ、スペインのマドリード、セビリア、バルセロナ、トラゴナなどでもデモと集会が予定されています。