日本共産党

2004年3月4日(木)「しんぶん赤旗」

イラク

同時テロ一斉非難

中東各地の政治・宗教者も


 【カイロ=岡崎衆史】イラクのバグダッドとカルバラで百八十人以上の死者を出した同時テロ事件に対し、イラク国内や中東各地の政治・宗教勢力から二日、一斉に非難の声が上がっています。治安対策を怠った米軍など占領軍の責任を追及する声も相次ぎました。

 シーア派組織のイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のアダル・アブダルマフディ氏は、「銃で武装した病んだ人たちは宗派争いを引き起こし彼らの基盤を強めようとしている。目的はイラク人に主権を獲得させることを阻止することだ」と批判し、主権回復に向けて国内勢力が団結することを強調しました。

 イラク統治評議会のシーア派評議員、モワファク・アルルバイエ氏は、記者会見で、テロ組織アルカイダとつながるヨルダン人のアブ・ムサブ・ザルカウィ氏が犯人だとして非難。「ザルカウィが望む内戦や宗派争いは成功しないだろう」と強調しました。

 スンニ派指導者のアハメド・アルサマライ師もアルアラビア・テレビで、「見えない手があおろうとしている宗派争いを成功させてはならない」と強調しました。

 イラクのシーア派最高指導者シスタニ師は声明をだし、(1)外国人テロリストなど侵入者を阻止するための国境管理を怠ったこと(2)イラク人治安部隊が任務を果たすのに必要な装備を与え、その強化を図らなかったこと―を挙げ、「責任は占領軍にある」と非難しました。

 イラク統治評議会はテロを強く非難するとともに犠牲者を追悼するため三日から五日まで喪に服することを決定。同評議会のアルウルム議長は、「(テロの)目的はシーア派とスンニ派間に問題をつくりだすことだ。非常に注意をしなければならない」と訴えました。

 一方、アラブ連盟のムーサ事務局長は、声明で、「罪のない市民を殺害しテロを加えるものであり強く非難する」と述べました。

 エジプトのマーヘル外相も、カイロでの記者会見で、「遺憾な出来事であり繰り返させてはならない」と訴えました。

 イラン外務省報道官は、「罪のない人々に対する明らかな犯罪」と糾弾。その一方で、「残念なことに、占領軍の駐留はイラクの人々の安全を確保できなかった。彼らは責任を負わなければならない」と述べ、米軍などの責任を追及しました。


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