2004年3月6日(土)「しんぶん赤旗」
衆院で可決された二〇〇四年度予算案で最大の問題は、増税と社会保障の切り捨てなど過去三年間に実施・決定した分と合わせて年間七兆円を超える国民負担増を押し付けることです。
雇用所得が落ち込んでいるもとでの巨額の負担増は、家計消費をさらに冷え込ませ、景気回復の足を引っ張るものです。
負担増でとりわけ重大なのは、年金の大改悪です。厚生・国民年金保険料の連続引き上げと給付削減、高齢者や低所得者を狙い撃ちにした年金課税改悪が主な内容です。
日本共産党の志位和夫委員長は二月十八日の党首討論で、「これでは生きて行けません」という声を紹介し、高齢者の「基礎的な生活費」の保障という政府の建前すら投げ捨てるものだと指摘、「憲法(二五条)で保障された生存権を国みずからが侵害するものだ」と提起しました。小泉首相は憲法とのかかわりについて何ら答えることができませんでした。
国民負担増の一方で大企業にたいしては、連結納税付加税の廃止や法人税の欠損金繰越期間の延長など優遇措置が目白押しです。庶民には増税を押し付けながら、史上空前の利益を上げている大企業に減税をさらに拡充するという逆立ちぶりは、国民に背を向けた政府・与党の姿を浮き彫りにしています。
「三位一体改革」と称する地方税財政の見直しでは、国庫補助負担金や地方交付税の削減と合わせて、三兆八千億円もの地方向け財源を切り捨てる内容となっています。
税源移譲が削減分のわずか12%というもとで各地の自治体で当初予算案も組めないという悲鳴が上がっています。
日本共産党は、こうした声を紹介し、「三位一体改革」が福祉や教育にたいする国の責任を放棄し、地方自治体と住民に負担を押し付けることにしかならないことを明らかにしました。
「三位一体改革」を根本から見直し、地方自治の拡充につながる権限と財源の移譲こそ地方が求める本当の改革です。