日本共産党

2004年3月6日(土)「しんぶん赤旗」

裁量労働制で勤務形態どうなるの?


 〈問い〉 R&D(研究開発)に関わる職場におりますが、裁量労働制に移行することで時間外の問題をチャラにしようとする考えが出ています。裁量労働制とはなんなのか、勤務形態などがどうなるのか。わかりやすく記載した文献があれば紹介を。(神奈川・一読者)

 〈答え〉 裁量労働制は、経済界の要求で一九八七年に労働基準法の「改正」によって導入されました。労働時間は一日何時間働こうが労使が決めた時間しか働いていないとみなす、「みなし時間制」が採用されました。

 当初は、弁護士やデザイナーなどの専門的な研究・専門職が対象(専門業務型)でしたが、九八年「改正」で適用業務の範囲が、従来の専門業務型だけでなく、企画・立案・調査などの業務(企画業務型)にも拡大され,〇三年「改正」では適用対象の拡大や導入要件の緩和などがおこなわれました。

 日本共産党は、一日八時間労働制の原則をくずし、長時間労働、サービス残業を追認、助長するものであり、一般のホワイトカラーなどへの拡大に反対してきました。専門業務型であっても導入は、労働者の要求によるべきであると考えています。

 〇三年「改正」の文献については、民主的労働運動の側からは、『労働運動』〇三年十月号(新日本出版社)掲載のシンポジウム「どうする働くルールと日本の未来―労働法制改悪後の労働運動の課題」、政府関係では「早わかり改正労働基準法」(厚生労働省労働基準局編、株式会社 労務行政)、厚生労働省のホームページでは、トピックス一覧―労働基準局、03・11・11掲載「平成16年1月1日から、改正労働基準法が施行されます」などがあります。

 また、〇三年「改正」以前のものですが、裁量労働制の基本的な問題点については、島田信義著『労働基準法』(学習の友社、一九九九年)などがあります。(

 〔2004・3・6(土)〕


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