2004年3月9日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ=岡崎衆史】イラクの統治評議会は八日、主権移譲後のイラクで暫定憲法となる基本法の署名式をバグダッドで行い、二十五人全員が原案に署名しました。統治評議会は、今後の本格憲法制定と選挙での本格政権樹立につながる一歩と期待しています。
基本法は、主権移譲後のイラクを連邦共和制とした上で、大統領一人と副大統領二人を設けることを規定。また、イスラム教を国教としながらも、法の源泉の一つとするにとどめ、信教の自由や基本的人権を盛り込みました。一方で、連邦制下で各州の自治権をどの程度認めるかなどの対立点について明確な規定を避け、解決を先送りしました。
統治評議会は一日にいったん署名に合意したものの、シーア派の最高指導者、シスタニ師の意向を受けた同派評議員五人が、合意内容が同派に不利だとして五日に予定された署名を拒否。その後シスタニ師はいくつか留保を示したものの、署名自体に反対しない意向を示しました。