2004年3月10日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 国際金融投機をおこなっているヘッジファンドとはどんなものですか? (埼玉・男性)
〈答え〉 ヘッジファンド(国際的な投機集団)とは、外国為替市場を投機の場として利用して大きなもうけをあげている集団です。
外国為替市場というのは、ニュースなどで「円高で一ドル百五円になった」とか「円安で一ドル百二十円になった」などと報道されているものです。
投機集団は、円安の時にドルを売って円を買い(例・十万ドルを千二百万円に換える)、円高になったらその円を売ってドルに換える(例・千二百万円を約十一万四千ドルに換える)などの方法でもうけます。このように世界各国の為替相場の変動を投機の対象にすることが横行しています。
ヘッジファンドとは「金融工学」などと称するコンピューター操作を駆使し、巨額の利益をあげようとする国際的な投機集団です。資金の出所は、大資産家、大手金融機関です。
彼らが膨大な資金を利用して、特定の国の通貨を一気に買ったり売ったりすることで、アジアの国々は通貨の価値が大暴落するなどの被害に見舞われました(タイ、インドネシア、韓国など)。
本来、外国為替市場は工業製品や農産物など、実体のある商品がやりとりされるなかで変動するものです。しかし、投機集団は、為替相場が上がったり、下がったりすることをもうけのタネにするために、商品取引と無関係の為替取引だけをおこなうのです。
例えば、〇一年の世界中の貿易額は七兆五千二百三十三億ドルですが、外国為替市場の取引は一日で一兆二千百億ドルにもなります。わずか六日半の為替取引が一年間の世界貿易と同じになっているところに、その異常さがあらわれています。 (湯)
〔2004・3・10(水)〕