2004年3月11日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の小泉親司議員は十日の参院予算委員会で、今国会に政府が提出した有事関連法案のうち、米軍と自衛隊が物資や業務を融通しあう日米物品役務提供協定(ACSA)改定案をとりあげました。憲法上の問題から、政府はこれまでアジア太平洋で米軍が引き起こす「周辺事態」の際、米軍への弾薬の提供ができないとしてきましたが、今回の改定案で可能になると追及しました。
同改定案では、日本に対する武力攻撃がまだ起きていない「武力攻撃予測事態」で、米軍に弾薬の提供ができるとしています。政府は先の通常国会で「予測事態」と「周辺事態」は併存もありうることを認めています。
小泉氏は「『武力攻撃予測事態』で弾薬を提供できることになると、(それと併存する)『周辺事態』でも弾薬の提供が可能になる」と指摘。「周辺事態」で武器・弾薬の提供ができるようになれば、憲法の禁じる集団的自衛権の行使になるとし、「『武力攻撃予測事態』と『周辺事態』が併存するときに、どのように切り分けるのか」とただしました。
井上喜一有事法制担当相は、一九九七年の新ガイドライン(日米軍事協力の指針)で設置された協議機関の「日米調整メカニズムで話をする」と繰り返すだけで、どう区別するか示せませんでした。
小泉氏はまた、「周辺事態」での武器・弾薬提供について「憲法違反かどうか結論を出していない」とする政府の見解について追及しました。
秋山收内閣法制局長官は、「予測事態」での日米軍事協力が「憲法上の問題にならない」とする一方、ACSA改定では「『周辺事態』での弾薬の提供はありえない」と繰り返すだけでした。小泉氏は「憲法問題を回避したまま、米軍への弾薬提供ができるしくみをつくるのは問題だ」と批判しました。