2004年3月12日(金)「しんぶん赤旗」
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米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)周辺住民約四百人が、国やリチャード・ルーキング同基地司令官を相手に、早朝・夜間の飛行差し止めや損害賠償などを求めた「普天間基地爆音訴訟」の第五回口頭弁論が十一日午前、那覇地裁沖縄支部(飯田恭示裁判長)でありました。
訴状の受け取りを拒否しているルーキング司令官に対しては、法的に訴状を受けとったと見なす「公示送達」の効力が先月二十四日に発生したものの出席せず、全国の爆音訴訟で初めて司令官個人を提訴した裁判は、被告欠席のまま、原告の立証がはじまることになりました。これについて原告弁護団の新垣勉団長は法廷で、「不法行為を行っている一個人として、その責任を弾劾できる」と論述しました。
原告側は、弁護団が聞き取り調査した、原告住民百八十五世帯分の陳述書を提出。航空機の離着陸や旋回、エンジン調整などで発生する爆音について、「心臓が押しつぶされ、はらわたがえぐられるような感じ」「音が天井とともに降ってくる感じがし、天井が崩れ落ちる恐怖におそわれる」など、健康的・心的被害、会話・睡眠妨害の実態を詳細に明らかにしました。
国側は準備書面で、日米安保体制のもと、「本件飛行場は、わが国の平和と安全を維持し、極東の平和と安全を維持するために欠くことのできない、高度の公共性を有する」と主張しました。