2004年3月13日(土)「しんぶん赤旗」
民主党の年金改革プロジェクトチーム(座長・山本孝史参院幹事長)が十二日にまとめた年金改革法案の骨格は、新公的年金制度の創設と、「年金目的消費税」導入を柱としています。
年金目的消費税は、○七年度から税率3%で導入。高齢者の増減に合わせて税率を変動させ、高齢化のピークを迎える二○年度に4%に引き上げます。これを六十年間維持し八○年度から3%に引き下げた後、九○年度以降は1%に固定するとしています。
新制度は現役時代に納めた保険料(年収の15%、労使折半)に応じて給付する「所得比例年金」と、「最低保証年金」とを組み合わせるというもの。このうち、最低保証年金の財源は、新たに導入する年金目的消費税で賄うとしています。
新制度のスタートは○九年度と明記。四十年間程度で新制度に全面移行させますが、移行期には現行制度の給付財源に充てる狙いから、同税の○七年度導入を打ち出しました。
民主党の年金改革プロジェクトチームが十二日まとめた改革案の骨格は次の通り。
【一】新たな制度の創設
「所得比例年金」と「最低保証年金」からなる新たな公的年金制度を創設▽加入者は二十歳以上の全国民および二十歳未満の有所得者▽所得比例年金は現役時代に納めた保険料の総額に応じて受給▽最低保証年金は、高齢者等の生活の安定に資するものとして所得比例年金が一定額に満たないとき補足的に給付▽所得比例年金の保険料率は15%▽所得比例年金の財源は保険料、最低保証年金の財源は国庫が基本▽二○○九年度から発足
【二】○八年度までに行うべき措置
最低保証年金および現行制度に基づく年金給付財源に充てるため、年金目的消費税を創設。公的年金課税および相続・贈与税の在り方の検討等新たな年金制度にかかわる必要な税制改革を行う▽歳出の抜本的見直しを通じ、現行制度における基礎年金国庫負担率を段階的に二分の一に引き上げ▽適切な給付と公平な保険料負担の実現のため、被保険者および受給権者に税の徴収と共通の付番を行う制度を導入▽国税庁と社会保険庁を統合▽被保険者の保険料納付および給付見込み額を随時確認できるシステムを整備
【三】年金制度の移行
現行制度から新制度への移行期間は四十年程度▽○八年度までの納付に応じて生じる給付額は原則として維持▽移行期間中の給付額は、現行制度での給付および新制度での給付(いずれも保険料納付の期間・総額に応じた額)の合算額
【四】年金改革調査会
国会に年金改革調査会を設置▽調査会は本案の基本理念や基本方針に則した年金制度改革を行うための具体的事項を定める
【別表】年金目的消費税率の推移表
○七年度から税率3%で導入▽二○年度税率4%▽八○年度税率3%▽九○年度以降税率1%