日本共産党

2004年3月16日(火)「しんぶん赤旗」

スペイン政権交代へ

次期首相が撤兵を表明

「イラク戦争は失敗だった」


 【マドリード=浅田信幸】スペインで十四日投開票された総選挙の結果、野党の社会労働党が米英のイラク侵略戦争に積極的に協力してきたアスナール政権与党の国民党を破って勝利しました。次期首相となる社会労働党のサパテロ党首は十五日、六月末までイラクの状況に変化がなければ「駐留スペイン軍部隊をイラクから撤退させる」と表明しました。

 サパテロ氏は「イラク戦争は失敗だった」と強調。「憎しみと暴力、恐怖を拡散させただけ」と厳しく批判しました。また、イラクで一般市民が犠牲となっていることについて米英に反省を迫りました。同国の選挙結果は、欧州と世界情勢に大きな影響を与えています。

 選挙では、社会労働党は得票率42・64%で百六十四議席(定数三百五十)を獲得、前回二〇〇〇年総選挙比で8・5ポイント、三十九議席上回る躍進をとげました。一方、国民党は37・6%で百四十八議席。前回比7・6ポイント減、三十四議席の後退です。

 サパテロ氏は十四日深夜、党本部に詰めかけた多数の支持者を前に「国民は変化への政府を選んだ」と勝利宣言しました。

 投票三日前に国際テロ組織アルカイダの犯行とみられる列車爆破テロで死者二百人、負傷者千五百人を数える大惨事が発生、選挙運動が停止されたまま投票日を迎えるという異常事態でした。

 事件をきっかけに、選挙の様相は一変。九割の国民が反対している米国主導のイラク戦争に、アスナール国民党政府が無批判に追随した結果が招いたテロだとの感情が国民の間に広がり、与野党逆転をつくりだしました。


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