日本共産党

2004年3月17日(水)「しんぶん赤旗」

スペイン次期首相のサパテロ氏

米英は「自己批判を」

イラク派兵撤退表明


 【パリ=浅田信幸】スペインの総選挙で勝利し、次期首相になることが確定している社会労働党のサパテロ書記長は十五日午後の記者会見で、現在、米英占領機構の連合国暫定当局(CPA)と統治評議会を中心に進められているイラクの主権移譲期限である六月三十日までに国連が主要な役割を担うことが明確にならなければ派遣部隊を撤退させることを明言しました。

 マドリードからの報道によると、サパテロ氏は「イラク介入はそれ自体として政治的にも、国際秩序にとっても、協力の探究にとっても、国連の擁護にとっても誤りだった」と指摘。「国連が(イラクの)事態を担う明確な変化がなければ、スペイン部隊は引き揚げる」とのべました。

 同氏は同日の朝にもラジオ・カデナセルのインタビューで、「イラク戦争も占領も完全な失敗だった」とし、ブッシュ米大統領とブレア英首相は「自己批判することになるだろう」と述べていました。

 来月初めに政権の座を引き渡す現アスナール国民党政権は、英国とともに米国の最も忠実な同盟国として、九割の国民の反対に背を向けてイラク戦争を支持。昨年九月からは約千三百人の兵士を占領軍に派遣しています。派兵期限は六月末までです。

 サパテロ氏が率いる社会労働党は、選挙公約に派遣部隊の撤退を掲げていました。選挙勝利の翌日、早々と新政権の外交方針に「百八十度の転換」をもたらす抱負表明に大きな関心が寄せられています。


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