2004年3月17日(水)「しんぶん赤旗」
【ドーバー(デラウェア州)=浜谷浩司】「レイモン・トレス 二十九歳 米陸軍予備役」「ブッシュのウソで、だれが死んだ」「デビッド・ジェンキンズ 二十五歳 米陸軍」…。ホワイトハウス前。イラクで死亡した五百六十人余の米兵の名が読み上げられます。名前が判明しているイラク国民の犠牲者も含まれています。
イラク戦争開始一周年を目前にした十四、十五の両日。ドーバー空軍基地(デラウェア州)、ウォルター・リード陸軍病院(ワシントン市内)、ホワイトハウスを結び、「犠牲者を追悼し、戦争を終わらせよう」「兵士をすぐに帰せ」と訴えるデモが行われました。
兵士が無言の帰国を果たすドーバー空軍基地。犠牲者の写真や花輪、思い思いのプラカードを掲げ、約三百人がデモ行進しました。
「ここは愛する息子エブンが数日を過ごしたところです」と語り出したのはジェーン・ブライドさん。「数日を過ごした」のは、遺体の損傷がすさまじかったことを意味します。
「イラクの石油は、私の息子たちの血には代えられない」。デモ参加者の一人、軍服姿の二人の写真を張ったプラカードを持つのは、バージニア州在住ラリー・サイバーソン氏(55)。
長男は十一カ月ぶりにティクリットから戻ったばかり。次男は昨年五月以来バグダッドにおり、パトロールに従事しています。「バグダッドで米兵が死んだというニュースが流れるたび強い不安が走ります」