2004年3月19日(金)「しんぶん赤旗」
【サンサルバドル(エルサルバドル)=菅原啓】ホンジュラスのマドゥロ大統領は十六日の発表で、「ホンジュラス兵士のイラク駐留を(期限を超えて)継続する条件がない」と述べるとともに、駐留延長を国会に提案する意思もないと言明しました。
十一日にマドリードで発生した列車爆破テロでは、二人のホンジュラス人が犠牲になっています。大統領は、ホンジュラスの外交方針は「テロリストによって左右されてはならない」と主張。イラクからの撤退が、こうしたテロ事件をきっかけに行われるものではなく、あくまで自主的な判断であることを強調しました。
ホンジュラス、エルサルバドル、ドミニカ共和国、ニカラグアの中米諸国からの派遣部隊は、スペイン軍の指揮する「プラス・ウルトラ」大隊に組み込まれてきましたが、ニカラグア部隊は二月末で撤退しています。
ホンジュラスのプレンサ紙十七日付は、スペイン総選挙で勝利した社会労働党のサパテロ次期首相が六月末での撤兵方針を表明したことが、イラク派兵諸国に「動揺と懸念を生み出している」と報じています。
プラス・ウルトラ エルサルバドル(三百六十人)、ホンジュラス(三百六十人)、ドミニカ共和国(三百人)の中米カリブ海三カ国の軍とスペイン軍(千三百五十人)で構成され、スペイン軍の指揮下にバグダッド南方のディワニヤ、ナジャフに展開。パトロール、武器の押収、社会基盤整備、イラク人警官の養成などに当たっています。エルサルバドルでは現在行われている総選挙でイラク派兵継続が争点となっています。