2004年3月20日(土)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】ポーランドのクワシニエフスキ大統領は十八日、外国人記者団との会見でイラク問題について「大量破壊兵器問題で釣られたことはまったく不愉快だ。われわれは作り話でだまされた」と名指しを避けつつも初めて米英を批判しました。同国はイラク戦争で米英を支持し、占領軍の一員として二千四百人の部隊を派兵、イラク中南部で二十二カ国の軍の指揮を任される重要な「同盟国」です。
大統領は、大量破壊兵器が見つからないことについて「米英をはじめ連合国にとって問題だ。われわれはイラクに大量破壊兵器があるという非常に強い可能性を知らされていたが、いまだに確認されない」と不満を述べました。
その一方で「サダム・フセインがいなくなってイラクは良くなった」と述べるとともに、「イラクの安定化には重要な意義がある」として派兵を続けると表明しました。
ポーランド国民の間では政府への批判が強く、二月に行った世論調査では派兵反対が60%。支持は35%にすぎません。スペインの総選挙で米英支持の政権与党が敗北したことでさらに反対が強まる傾向にあります。