2004年3月20日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党の山口富男議員は十九日の衆院厚生労働委員会で、物価下落を理由に四月から年金給付額を0・3%削減する年金削減法案について質問。月額四万円未満の人の年金も含めて一律に減らすやり方は、「健康で文化的な最低限度の生活」を明記した憲法二五条に基づく国民年金法の目的に反すると批判しました。
山口氏は、物価スライドによる年金削減について「高齢化が進んでいる市町村で大きな影響が出るのではないか」と追及。坂口力厚労相は「物価が下がればそれだけ生活はしやすくなる。生活そのものに大きな影響を与えているとは考えていない」と答弁しました。
山口氏は、〇二年十月から老人医療費の負担が増え、〇三年四月からは介護保険料が13%値上げされるなど、高齢者の生活は「楽になったどころか、大変苦しいというのが実態だ」と反論。
政府は、今国会に提出した年金改悪法案で、九九年―〇一年の三年間の物価下落分1・7%についても、今後物価が上がったときに年金額を引き上げないという形で物価スライドを実施することを盛り込んでいます。山口氏は「こういうやり方が、国民の年金に対する不信を生み、国民を苦しめている」と批判。
物価スライドによる削減が、原爆被害者に対する医療特別手当にまで及ぶことを批判。1・7%分は実施しない方向で検討するよう求めました。
吉武民樹年金局長は「どうするかについては予算編成のなかで検討する」と答えました。