日本共産党

2004年3月20日(土)「しんぶん赤旗」

イラク戦争1年 アムネスティ報告

米軍が人権侵害、深刻

「論争しただけで銃殺」


 【ロンドン=西尾正哉】ロンドンに本部を置く人権擁護団体、国際アムネスティは十八日、イラク戦争開戦一年にあたって「イラクの人権状況は依然として危機的だ」とする報告を発表しました。

 報告は、戦争開始以来、殺害されたイラク市民は一万人以上に上ると推定。「イラクの市民はいまも毎日殺害されている。最悪のケースを除いて多くは報道されない」と指摘しました。また、「おびただしい数の市民が、米軍の過度の暴力によって、または米軍と論争したため銃撃され殺害されている」と指摘しました。

 さらに、「イラク市民を不法に殺害した米軍兵士はこれまでに一人も告発されたことがない」とし、「米軍主導の当局によってだされた命令が米兵を裁きにかけることを禁じているからだ」と告発。また、「完全かつ独立した調査、および、不法な殺害をしたものを裁きにかけるように要求してきたが、今日にいたるも独立した調査は行われていない」と批判しました。

 報告は、「戦争開始以来、連合軍によって勾留されたイラク人が基本的人権を侵害されてきた」とし、「多くは起訴されずに数週間、数カ月も勾留され、幾人かは拷問を受け、虐待されている」と批判しました。

 女性への暴力について報告は、「法秩序の崩壊によって誘拐や暴行、殺人など増えつづける暴力に直面している。多くの女性は恐ろしくて外出できず、少女たちは通学できない」と指摘しました。

 報告は、占領軍当局、イラク統治評議会などに「全面的な人権を全面的に守り発展させるよう」呼びかけています。


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