2004年3月21日(日)「しんぶん赤旗」
米英軍によるイラク戦争開始一周年の二十日、無法な侵略と占領が破たんし、孤立を深めるなかで、全世界規模の国際共同行動がおこなわれました。日本では、全都道府県数百カ所で数十万人が行動。東京では、「3・20国際共同行動IN東京・芝公園」集会、「ワールドピースナウ3・20」、陸・海・空・港湾労組二十団体の催しに六万人以上が参加し、各地でも一万人の人文字や米軍基地包囲行動など多彩な行動が繰り広げられ、「無法な占領やめよ」「自衛隊はただちに撤退を」と声をあげました。
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芝公園の集会には三万人(主催者発表)が集い、開戦時刻の午前十一時三十三分には、打ち鳴らされる鐘に合わせて平和への思いをアピール。激しさを増す雨と冷たい風を吹き飛ばすように、鈴や太鼓、ハーモニカの音、「占領をやめさせよう」の声が重なりました。
「NO WAR」のワッペンをバッグにつけた女性、母親と四歳の女の子の親子連れ。桜が開き始めた芝公園には、集会の始まる一時間半前から人が集まり始めました。
主催者を代表し、全労連の熊谷金道議長が、「国連によるイラク復興と自衛隊の撤退に向け、世論を結集しよう」とあいさつしました。
日本共産党の志位和夫委員長は、スペインで「イラク戦争も占領も失敗」「駐留スペイン軍を撤退させる」と明言した野党が大勝したことに触れ、「国連憲章をふみにじった侵略戦争と軍事占領は破たんしつつある」と指摘。「歴史を動かすのは各国民衆のたたかいの力です」と呼びかけました。
評論家の佐高信氏、陸・海・空・港湾労組二十団体の中川香さん(航空安全会議副議長)、ワールドピースナウ実行委員の高田健さん(市民連絡会事務局次長)が連帯のあいさつ。高校生が「自衛隊派兵反対の宣伝をしながら、この思いがイラクの子どもへ届けと考えている」と語り、二歳の子を持つ女性が「身近なところで平和活動を続けたい」と訴えると、参加者は傘を振ってこたえました。
和歌山県の宅田葉月さん(18)は、「やっぱり武力で解決する世界はおかしい」。太鼓を持参した高橋佑嗣さん(18)は、「アメリカの言うことに逆らえない日本は変」といいます。
参加者は雨のなか、二コースに分かれてデモ行進をしました。
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「世界の人々とともに―終わらせようイラク占領! 撤退させよう自衛隊!」というスローガンを掲げた「ワールドピースナウ3・20」(同実行委員会主催)が、東京・日比谷公園で開かれました。
芝公園での集会を終えて参加した人たちをふくめて主催者発表で約三万人が参加し、休日でにぎわう銀座周辺をパレードしました。
主催者を代表して集会であいさつした「チャンス!」の星野ゆかさんはイラクに派兵した政権を交代させたスペイン市民に連帯を表明。「イラク戦争で失われた命は二度と戻らない。ブッシュ米大統領と小泉首相を許すわけにはいかない」と抗議。「憲法を世界に発信し、戦争放棄の憲法を守ろう」とアピールしました。
イラクで市民への医療援助活動を続ける非政府組織(NGO)「日本国際ボランティアセンター」の熊岡路矢代表は「国連など国際機関が主導し、イラク人の手によるイラクのための復興が必要だ」と訴えました。「米軍人家族の会」のロバート・スミスさんや、弁護士の藤原真由美さんらも発言し、イラク戦争ノーを呼びかけました。
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陸・海・空・港湾労組二十団体は二十日、東京・日比谷公園の小音楽堂で「平和コンサート」を開き、イラク戦争反対、自衛隊の撤退をアピールしました。多数の参加者が雨にぬれながらゴッド・ブレス、横井久美子さんの歌と演奏に聞き入りました。
航空労組連絡会の内田妙子議長が開会あいさつし、「あきらめず、ねばりづよく、黙さず行動で示しつづけましょう」とよびかけました。
全国労働組合総連合の坂内三夫事務局長と、日本消費者連盟の富山洋子代表運営委員が連帯のあいさつをしました。