日本共産党

2004年3月25日(木)「しんぶん赤旗」

学生無年金障害者訴訟

支給なく放置は違憲

東京地裁 原告4人ほぼ全面勝訴


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学生無年金訴訟勝訴の知らせに喜び合う支援の人たち=24日、東京地裁前

 二十歳を過ぎた学生の国民年金加入が任意だった一九九一年三月以前、未加入のまま事故や病気が原因で重い障害になりながら障害基礎年金が支給されていない、学生無年金障害者四人が、不支給取り消しなどを求めた裁判で、東京地裁民事第三部(藤山雅行裁判長)は二十四日、原告勝訴の判決を下しました。原告のうち岡村佳明さん(39)への不支給決定を取り消し、他の三人にたいし、各五百万円の慰謝料支払いを国に命じました。

 判決は、基礎年金制度を導入した一九八五年の国民年金法「改正」(八六年施行)で、二十歳前に障害を負った人には、障害福祉年金を受けていた人も含め引き続き障害基礎年金が支給されたのに、二十歳を過ぎて障害を負った学生には支給されず格差が著しく拡大したと指摘。しかも大学進学率が上昇した状況にもかかわらず、なんら立法措置を講じなかったことは「法の下の平等」を定めた「憲法一四条に違反する」とのべています。

 岡村さんは、学生だった二十二歳の時の脳腫瘍(しゅよう)で障害になったとされ、当時国民年金に加入していなかったことを理由に障害基礎年金が不支給とされました。判決は、視力低下を認められた高校三年生(十七歳)のときの検診が「初診日」であると認め、国民年金法で「二十歳前に初診日のある障害」に障害基礎年金を支給するとされているにもかかわらず、不支給としたのは、法の適用を誤ったものだ判断しました。

 学生無年金障害者は、今回の四人を含め、全国九地裁に三十人が国を相手に訴えており、この判決は今後の各地裁の審理に影響するとみられます。


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