2004年3月26日(金)「しんぶん赤旗」
スペインのサパテロ次期首相は二十四日、首都マドリードでの列車爆弾テロ事件の犠牲者を追悼する国葬に出席した英国のブレア首相やパウエル米国務長官との会談で、「イラクから撤兵するという公約は変わらない」と強調しました。
ロイター通信などによるとサパテロ氏はブレア首相、パウエル長官との会談で、六月三十日までにイラクでの治安政策と主権の民主的な移譲についての国連の指揮監督権限が根本的に変わらない限り、米英との連合から離脱してスペイン軍千三百人は帰国すると語りました。
ブレア首相は、二十四日午前、サパテロ氏と会談、イラクからの撤兵方針を変更するよう強く求めました。会談後に英首相の報道官が発表した声明によると、サパテロ氏は、「総選挙中に取った(撤兵の)立場を説明し、イラクでの状況がどのような方向に動こうと、それ(公約)はスペイン国民に支持された立場だ」とのべました。
サパテロ次期首相は、フランスのシラク大統領と会談。会議に同席したスペインの次期外相就任が予定されているミゲル・アンヘル・モラティノス氏によると、サパテロ氏は、スペインは欧州の中心に位置してフランスと友好的な関係を維持したいと語りました。
サパテロ氏とパウエル氏との会談はわずか十五分ほど。パウエル氏の同行高官らによると、会談で両者はイラク問題でのそれぞれの立場をのべ、「今後も対話を続けることで合意」しました。
サパテロ次期首相は、ドイツのシュレーダー首相とも会談し、決議権をめぐる対立で昨年十二月の欧州連合(EU)首脳会議で見送られた欧州憲法の最終合意をめざし緊密に協力していくことでも一致しました。
国葬はフアン・カルロス国王夫妻の主催でマドリードのアルムデナ大聖堂で行われ、各国の首脳が参列しました。