2004年3月28日(日)「しんぶん赤旗」
【ブリュッセル=浅田信幸】スペインの次期首相に来月就任する社会労働党のサパテロ書記長は二十六日、同党の選挙勝利を「国民がテロの恐怖に屈したためだ」などと一部で執拗(しつよう)に流されている論調について「愚劣」と反論を加えました。
マドリードからの報道によると、サパテロ氏は、「選挙結果についてのあらゆる論議は尊重するが、スペイン国民がテロにおびえたかのように描く論議は別だ」と述べ、「このような描き方は全く愚劣だ」と強調しました。
スペインの選挙結果を「テロに助けられた」などという主張はとくに、ブッシュ米政権当局者の間からあがっており、欧州の保守系の一部マスコミもとりあげています。
サパテロ氏は、三月十一日の同時列車爆破テロ後の国民の態度を「英雄的だった」と指摘。「国民はパニックに陥らず、犠牲者に手を差し伸べ、テロと立ち向かい、民主主義を強化するために街頭に出た」と、事件翌日の一千万人を超える「テロ・ノー」のデモをたたえました。