2004年3月29日(月)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の不破哲三議長は二十八日、兵庫県西脇市内での演説会で、真の「改革」とはなにかを明らかにしながら、内政では大企業・財界いいなりという病気、外交・軍事ではアメリカいいなりという病気を治す日本共産党の民主的改革の“治療方針”を示しました。
不破議長は、大企業・財界いいなり政治の実態を、(1)税金の集め方も使い方も大企業本位になっている(2)働く人たちを守るルールがない(3)大企業のもうけと関係のない仕事(中小企業対策や農業政策)は「手抜き」する―という三つの角度から明らかにし、「ここを変えてこそ国民のための改革だといえる」と強調しました。
これにたいし、「小泉改革」は、税金の問題一つをとっても、三年間で庶民増税一兆七千億円、企業減税は一兆三千億円を行い、民主党と競い合って消費税増税の大作戦に乗り出すなど、政治のゆがみをさらにひどくするだけのものです。
外交・軍事の問題では、「自民党は生まれたときからアメリカいいなりだったが、小泉内閣は命取りとなるくらいひどくした」と告発。小泉首相は、ブッシュ米大統領の顔だけをみて世界をみていますが、地球人口六十二億人のうち、政府がイラク戦争に賛成した国はわずかに十二億人をしめるだけ、「一つの大国だけをみてこれが世界だと思いこむのはとんでもないまちがいだ」とのべました。
そして、小泉首相は自衛隊派兵を、「人道支援」のため、「イラクで支援活動ができるのは、自衛隊しかない」として強行したが、これもまったくの偽りだったと批判。防衛庁の説明や国会でのボランティア団体代表の発言をひきながら、「人道支援」の中心となる給水活動についても、年間一億円たらずの費用で活動にあたっているボランティア団体の方が、四百四億円の予算をかけた自衛隊よりも、はるかに大規模で有効な活動をやっている事実を示すと、会場からは驚きの声があがりました。
不破議長は、自衛隊の派兵は「人道支援」が目的ではなく、アメリカの戦争を正当化し、占領を応援することが第一の目的、アメリカはそういう政治的「援軍」として大歓迎したのだとのべました。
「しかし、アメリカはそれだけで満足していない。もっと前に、アメリカといっしょに戦争をやるところまですすんでくれ、というのがアメリカの次の注文だ」とのべた不破議長は、憲法改悪が一気に浮上してきたねらいも、そこにあると強調。
「憲法は古くなった」という議論にたいし、「国民の生存権を規定した憲法二五条のような条項は、アメリカ、フランス、ドイツなど他の諸国にはみられない。こんな無責任な根拠で憲法改悪の本質をごまかすことは許されない」と語り、「いまこの憲法をまもるという、当たり前のことをいえる政党が日本共産党しかない」と訴え、大きな拍手に包まれました。
最後に不破議長は、いま世界が求めているのは――
過去の戦争をきっぱり反省している日本
自分の考えと立場をもつ自主独立の日本
世界の平和のルールを求める日本
なかでもアジアの一国としてアジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの諸国民のことを真剣に考える日本だ、と強調。
日本共産党のイスラム諸国などとの野党外交を紹介し、いまや世界は自民党や公明党などの反共主義が通用しない世界になっていると語りました。そして、日本がその平和の方向にかじを切り替えたら、世界から歓迎される新しい展望が開けるとのべ、来るべき参院選が、新しい日本への力づよい一歩となるよう支持、協力を訴えました。