2004年3月30日(火)「しんぶん赤旗」
小泉内閣と与党が、四月一日にも年金改悪法案の審議入りをねらうなか、全国の自治体の半数近い千五百七議会が年金制度に関する国への意見書を採択(二十九日現在)していることが、全日本年金者組合の調査でわかりました。
採択したのは、東京、千葉、石川、徳島など八都県、三百十八市・区、千百八十一町村です。
改悪法案が年金給付を一律、自動的に減らす仕組みをつくろうとしていることにたいし、「年金給付の一律引き下げをおこなわない」「早急に国庫負担割合を引き上げる」「公的年金に課税強化をおこなわない」との内容が盛り込まれているのが目立ちます。
石川県野々市(ののいち)町が三月議会で採択した意見書は、「年金額の引き下げは、公的年金に対する現世代の信頼感を失わせることになるとともに、年金受給者にさらなる不安を与え、消費生活の手控えを余儀なくさせるものであり、景気回復にも影響を与えることは明らか」と指摘。給付額の一律引き下げに反対し、国庫負担割合の引き上げによる安定した年金制度の確立を求めています。
同意見書には、公明党のみが反対しました。町民から「年金が下げられるのは、困る。なんとかしてほしいのに、公明党はひどい」という声があがっています。
また、全国的には、「全額国庫補助による最低保障年金制度を創立し、無年金者をなくす」「同制度が創設されるまでの間、現在の国庫負担を大幅に増額し、できるだけ早く全額にする」に触れた意見書もあります。