2004年3月31日(水)「しんぶん赤旗」
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年金給付額を物価変動にあわせて(物価スライド)削減する年金給付削減法案が、三十日の参院厚生労働委員会で自民、公明などの賛成多数で可決されました。日本共産党は「年金給付引き下げは高齢者の生活にいっそうの打撃を与える」(小池晃議員)と反対。民主、社民両党も反対しました。
同法案は、〇三年の消費者物価下落を理由に、年金給付額を四月から0・3%引き下げるもの。児童扶養手当、障害児福祉手当、原爆被害者の医療特別手当など各種手当も削減されます。
日本共産党は、物価スライドを凍結して、現行の給付水準を維持する修正案を提出。自民、公明、民主、社民などの反対で否決されました。
採決に先立つ審議で小池氏は、介護保険料引き上げなど社会保険料負担増は物価スライドの基準となる「消費者物価指数に反映されているか」と質問。総務省の大林千一統計局長は「反映されていない」と答弁。小池氏は「社会保険料の負担増を反映させず年金を引き下げれば、高齢者の生活水準は低下する」と批判しました。
小池氏は、「これまでの基礎年金水準は、満額支給(〇二年度で月額六万七千円)で、高齢者の消費支出だけでなく保健医療部分もまかなってきたが、政府の年金改悪案で実質15%切り下げられれば保健医療はまかなえなくなる」と指摘。「基礎年金水準の変質ではないか」と追及しました。
坂口力厚労相は「そこ(保健医療)まで全部カバーできるか疑問がある。全体をみればやむを得ない」と答弁しました。
小池氏は「保健医療費もまかなえない切り下げは、老後の最低生活を保障するという(基礎年金の)性格を大きくゆがめるものだ」と批判しました。