2004年4月2日(金)「しんぶん赤旗」
年金保険料あげ給付削る |
法案審議入り |
加入者七千万人と受給者三千万人はじめ国民生活に深刻な被害をおよぼす年金改悪法案が一日の衆院本会議で審議入りしました。質問に立った日本共産党の山口富男議員は、「公的年金制度を根本から変質させる歴史的な大改悪だ」と批判しました。
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山口氏は、保険料引き上げと給付水準引き下げを、国会審議ぬきで毎年自動的に行えるようにするものであり、保険料の未納者を広げ国民年金の空洞化をさらにすすめると指摘。給付水準を実質15%も切り下げることは憲法二五条が定める「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を侵害すると批判しました。
二〇〇四年度まで実施すべき基礎年金の国庫負担二分の一への引き上げを先送りしたうえ、年金課税強化や、さらには消費税の増税でまかなおうとしていることを「本末転倒で許されない」と強調。保険料未納者や低額年金者、無年金者の増大など深刻な現状を打開する方策が何もないとのべ、「改革」の名に値しない政府案はきっぱり廃案にすべきだとのべました。
山口氏は、安心できる年金制度はここにあるとして、最低保障額を当面月額五万円からスタートさせ、安定的な財源を確保しながら引き上げ、国民の生存権を保障する水準をめざすという、日本共産党の「最低保障年金制度」を紹介しました。
(1)財源は、歳出の見直しと大企業優遇税制を改める(2)巨額の積立金を給付に回す(3)雇用と所得を守り年金の支え手を増やす(4)少子化対策に本格的に取り組む――という改革の方向を提起し、これこそ老後の最低生活を保障する国の責務を果たすものだと強調しました。
小泉首相は「自立自助が社会保険の長所」などと国の責務を放棄する姿勢を示し、「消費税も含め国民的議論を進めていく」と「年金財源」の名で増税をねらう姿勢を改めて表明。一方で、「企業にも応分の負担」「少子化対策は重要」などと山口氏の提起を認めざるをえませんでした。